地元出身者がおすすめする“ご当地パーティー料理” ~愛媛・ドンッと豪華な「鯛そうめん」編~
「定番のパーティー料理、そろそろ飽きたな…」
そんな方のために今回からスタートしたのは、ホムパ推進委員会のメンバーが地方の“伝統おもてなし料理”をオススメする新シリーズ。その土地出身のメンバーが、実際によく食べていたその土地ならではの料理をご紹介します。第一回目は、愛媛の『鯛そうめん』。
スタイリッシュじゃないし、今どきじゃないけど、「美味しくて、家庭的で、あったかい」そんな料理♪ 「今は気軽に地方に旅行もしにくい」という人にもオススメですよ。
「鯛そうめん」って?
尾頭付きの鯛が丸々一匹ドンっと乗っかった『鯛そうめん』は、愛媛県の南部、南予地方にある宇和島市を中心とした郷土料理です。
鯛と言えば、日本では古くから縁起物としてお祝い事に欠かせない食材ですよね。私の地元・宇和島では、その鯛を豪快に使ったこの鯛そうめんが、お祝い事のメイン料理なんです。
そうめんの上には、甘辛く煮た鯛の他に、シイタケの旨煮や錦糸卵、ネギ、そしてこの地方の名物「かまぼこ」などが乗っています。鯛を煮た煮汁をかけて食べると、ほんのりした甘さと鯛の旨味が最高にマッチ! いつもついつい食べ過ぎてしまいます♪
見た目も豪華で、由来も縁起がイイ♪
「お祝い=鯛そうめん!」の図式ができ上がっていた宇和島市周辺では、子どものお節句、結納や結婚式などでふるまわれてきました。実際、私の家でも七五三や成人式の日には、鯛そうめんが出てきました!
昔は結婚式も地元の料理屋さんや自宅などで挙げることも多かったので、そういったシーンでも、この鉢盛料理が定番だったと聞いています。「両家の両親がめでたく対面(鯛めん)する」という意味や、めでたいことが、「そうめんのように細く長く続きますように」という意味があるそうですよ。まさに、見た目通り “めでたい!” お料理♪
ちなみに、愛媛県は天然魚、養殖魚ともに「真鯛」の生産量が日本一! なので地元で食べる鯛料理は、とっても身近で生活と切り離せないものなんです。
鯛そうめんのポイント
- 見た目が豪華!伝統のパーティー料理♪
- 実は温かい料理で、冬にもピッタリ。
- 甘辛い味付けで、子どもから大人まで楽しめる!
- 錦糸卵やシイタケ、かまぼこやネギなどトッピングが豊富。
- そのトッピングも自己流アレンジOK!
- 松山方面では、写真のようにカラフルな「五色そうめん」を使うことも。
- そうめんは少量ずつ分けてあるので、大皿でも食べやすい。
- 実はそんなに難しくない!?
田舎のお母さんたちも作っている簡単レシピ
難しそうに思える鯛そうめんのレシピですが、実は一言で言うと、「そうめんの上に、鯛の煮付けなどをトッピングした」料理。味付けの濃さも好みで変えられるので、結構簡単にできちゃいますよ。
- 鯛の煮付けを作ります。煮汁を後で薄めてかけ汁に使うので、煮るときの水と醤油は「2:1」くらいの濃いめに設定。
- 砂糖、酒で味を調節。鯛がかぶるくらいに煮汁の量を調節して煮詰めます。
- みりんは最後に照りを出す程度で、甘さは砂糖で足していきます。(みりんを使いすぎると堅くなるので)
- ゆでたそうめんを、小皿一皿ずつくらいの量に分けて、大皿に盛っていきます。
- 真ん中に煮付けた鯛を崩れないように乗せます。
- 鯛の周りに、シイタケの旨煮、錦糸卵、かまぼこ、ネギなどを飾っていきます。
- 鯛の煮汁を水(だし汁でもOK)で割って、好みの濃さのかけ汁にします。魚の味が苦手な人は、シイタケの出汁でかけ汁をつくることも。
- 小皿にそうめんやトッピングの具材を取り分けて、上からかけ汁をかけて召し上がれ♪
他にもこんな“絶品鯛料理”が!
宇和島には他にも『鯛めし』という鯛を使った郷土料理があります。鯛めしというと土鍋で炊いたものが一般的ですが、新鮮な鯛が手に入る宇和島では、鯛の刺身をだし汁や卵、ネギ、ゴマ、ワサビなどの薬味と一緒に混ぜて、豪快にご飯に乗っけるどんぶり形式で味わいます。これも鯛そうめんに引けを取らず、美味しくてご飯がすすむ料理なんですよ。新鮮なお刺身が手に入ったときには、ぜひ試してみてください。
おわりに
地方の伝統のパーティー料理、いかがでしたか? 洋食に飽きてきたら、こんな料理で家族や友人とのゆったりした時間を過ごすのも悪くないですよね。今後も、いろんな地域の料理を地元出身のメンバーが紹介していきたいと思います。これからも、手軽であったかいホームパーティーを♪