和牛の基礎知識!お肉パーティーにも活躍

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三大と言わず、良質な肉を選ぼう

ホームパーティーで牛肉がメインとして出てくると、テンションが上がりますよね。

国内で流通している肉牛のなかでも、高級とうたわれる「神戸牛(神戸ビーフ)」「松阪牛」「近江牛」。上質かつ油の甘み、肉の味が口に広がる、とても美味なものですね。しかし、簡単にブランド牛ならと考えがちですが、食を知るならまず、歴史や知識を得るとさらにおいしく食べれるのではないでしょうか?

そこで今回は、日本三大和牛について見識を深めていきましょう。

三大にこだわらなくてもいい!?

よく、神戸牛、松阪牛、近江牛を日本三大和牛といいますが、ときに四大として前沢牛や米沢牛も加わることがあります。

しかし、実はこの『日本三大和牛』という呼称は、いつごろに誰が言い出したかは不明なのです。つまりは公式に3つの銘柄が決まっているわけではありません。

なので、ここでは三大とくくらず、各和牛についてご紹介していきたいと思います。

神戸牛(神戸ビーフ)

兵庫県で生産されているもので、但馬牛の枝肉がある条件を満たした際に「神戸牛」という名称に変更することができます。正式な名前は「こうべにく」ですが、一般的には「こうべぎゅう」と呼ばれています。

歴史

神戸港が開港した1868年当時、多くの外国人が日本に訪れるようになりました。そのとき、国内では食肉文化が定着していませんでしたが、あるイギリス人が農業の作業用に飼っていた但馬牛を食べて絶賛したことから始まります。そして、のちに神戸ビーフと言われるようになり、海外への輸出をしたり全国へ流通するようになりました。1980年代、明確な基準がなく肉質にバラつきがあったため、兵庫県が協賛して1983年に神戸肉流通推進協議会が創設され、ブランドとして誕生して定義が確立されました。

松阪牛

但馬牛だけではなく、黒毛和種の子牛を買い入れして松阪市近くで飼育されまたものを指します。『肉の芸術作品』と呼ばれるほどで、霜降り肉になっているのが特徴です。

「まつさかうし」「まつさかぎゅう」どちらの呼び方でも良いとされています。生産地では「まつさかうし」と言うのが普通であったため、三重ブランドとして発信する際は、この呼称を基本としようと、三重県庁と松阪牛協議会の間で締結しました。

歴史

江戸時代より兵庫県(旧:但馬国)で生まれて、和歌山県(旧:紀伊国)の紀の川流域で育った雌牛を購入し、農業で使われていました。幕末に神戸外国人居留地の住人の間では神戸ビーフが注目されており、松阪市で長く飼われていた牛も、食肉用として買い取られるようになりました。当時は松阪牛も神戸ビーフと言われていたそうです。

文明開化後、山路徳三郎は牛を何頭か引き連れて、東京へ売りに行く『牛追い道中』を展開。松阪牛が有名となるきっかけをつくりました。さらに農家に対して肉牛の生産をすすめました。獣医師でもあった彼は、取引農家の牛の健康状態を往診していました。

明治、大正、昭和と国内では品評会が開催されるようになり、入賞を繰り返していきました。そして、1935年、東京で実施された博覧会では優勝をおさめ、それがきっかけで全国的に名前が広まるようになりました。

近江牛

黒毛和種が、滋賀県内で最も長く肥育されたときのみ、名乗ることができるものです。食用としては最古の史実が残っている銘柄となります。その歴史は約400年ぐらいです。

歴史

豊臣秀吉が1590年、小田原攻めをした際、高山右近が蒲生氏郷と細川忠興に対し肉をふるまったという史実があります。明治には西洋文化の影響を受け、牛肉食がはじまり消費も拡大しました。牛疫が蔓延した1893年、国内の生牛の輸送が禁止され、そこで滋賀県下で生産された牛肉が、市場へ出回るようになりました。おいしいと評判だっため、産地が調べられるようになり、同県の近江八幡駅から出荷されていいることが分かり、それがきっかけで広く知れ渡るようになりました。

前沢牛

出典:岩手前沢牛協会

岩手県奥州市前沢で肥育された黒毛和種です。同市に住所を有する者か、法人は所在地としているかが決まっています。そのほかの基準としては、肥育期間は生産者が1年以上飼養していること、出生から屠畜までの期間内において、前沢区内の飼養期間が最長であり、最終飼養地であることなどが満たされていないと名乗ることができません。種雄牛には菊谷、恒徳という但馬牛を使っています。

歴史

岩手県では古くから牛の飼育が盛んでありましたが、農業の作業を補うための家畜としての要素が強かったです。肉牛として生産が活発化したのは1970年代からです。

米沢牛

山形県米沢市がある置賜地方3市5町で、肥育された黒毛和牛が一定の条件を満たした場合呼ばれます。

歴史

米沢藩は1871年にイギリスと条約を結んでいました。上杉鷹山が開校した興譲館に、横浜で居留中の貿易商のチャールズ・ヘンリー・ダラスを英語教師として招へいしました。当時、米沢では四つ足の動物を食べないとされていましたが、故郷を懐かしんだチャールズは、同行させていたコックである万吉に牛肉を調理させて食べたのが、米沢牛のはじまりです。任期終了後には、おいしかったことから米沢を離れる際、1頭を横浜へ持ち帰りふるまいました。そして広がっていきました。

驚くなかれ。オーストラリア産も優秀

出典: aussiebeef.jp/

一時期、「国内では霜降りでないと売れない」と食肉業界では言われそれが通説とされていました。しかし、元々、日本人が『健康志向』の国民性を持つことから、オーストラリア産の肉牛も注目されるようになりました。およそ7~8年前にはアッパーな客層で、人気があったとか。

オーストラリア牛は放牧で飼われたもので、牧草がエサとなっています。肉そのものは、赤身が占めています。鉄分や亜鉛、ビタミンB群を摂取することができ、アミノ酸も豊富でたんぱく質もたっぷり詰まっています。そのため、健康などにいい肉とされています。

終わりに―

ほとんどが但馬牛がルーツとなっているブランド牛ですが、経緯や各地域での育つ環境、生産者の想いはそれぞれ。どの品種であれ、ホームパーティーでメインとして登場すれば、華やかになることは間違いありません。

しかし、どの種類であってもそれは調理方法で味や美味しさも変わるので、ブランドが全てではありませんよね。皆さんの好み、予算に合わせて選ぶのが最良です。

肉をメインとした料理は多数ありますので、その調理法に適した食材を選んで、ホームパーティーに呼ぶ友人や家族などへもてなしましょう。

 

この記事を書いた人


ホームパーティー推進委員会編集部
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